お 知 ら せ
定例会議事録を更新しました
当さらんネット運営委員会の第126回定例会が12月19日に行われました。当サイトの「活動報告/例会議事録」コーナーで閲覧できます。
【2020年12月21日更新】
_______________________________________________________________
嵯峨嵐山観光の新たなビジョンを提言
当NPOさらんネット コロナ後を展望して
当NPO法人さらんネットでは、現在の新型コロナウイルスの感染が終焉したあとの嵯峨嵐山観光のあり方について、新たなビジョンの観光政策を提言する趣意書を作成し公表しています。「我々からの提案/提言」のページに掲載。
【2020年8月27日 更新】
※記事末尾の青文字「我々からの提案/提言のページ」をクリックすると
当該のページに移動します。
_______________________________________________________________
〝双ケ岡からきぬかけの路を歩く〟
第19回さらんネット「ぶらり探訪」企画 開催
12月5日(土)、さらんネット恒例の「ぶらり探訪」シリーズ第19回「双ヶ岡からきぬかけの路を歩く」が開催された (写真上) 。参加者は30名。コースはJR花園駅⇒双ヶ岡⇒仁和寺⇒蓮華寺⇒傳法輪寺⇒住吉大伴神社⇒龍安寺裏朱山七陵⇒等持院⇒六請神社⇒櫻谷文庫⇒嵐電北野白梅町(解散)。案内の講師は加納敬二氏(京都市考古資料館職員、さらんネット副理事長)が務めた。
午前9時、集合場所のJR花園駅を出発し、双ケ岡(ならびがおか)こもれびの広場で加納氏よりコースの探訪箇所の説明があった。今回はコロナ禍での開催となり、充分な感染拡大防止策(密を避ける、検温、手の消毒など)に最大限の注意を払った。
この日は素晴らしい天候に恵まれ、双ケ岡から眺める光景に思わず歓声が上がった。眼下には仁和寺の全景。背後にのどかな嵯峨野の風景が眺められた。この一帯はその昔、御所周辺に居住した貴族たちの山荘が点在した。徒然草を著した吉田兼好が晩年過ごした地でもある。
世界遺産・最高位門跡寺院仁和寺の御室桜(お多福桜)は有名だ。五重の塔が美しい。余談だがここ御室は大手電機機器メーカーのオムロン由来の地でもある。お隣は五智如来像が鎮座している蓮華寺。ここは空海が胡瓜に疫病を封じて五智不動に祈願すると罹病しないと説いた〝胡瓜封じ〟で有名である。
傳法輪寺ではコロナ禍の影響で残念ながら御室大仏が拝観できなかった。住吉大伴神社は、豪族大伴氏が平安遷都に伴って奈良から移した氏神である。
続いて竜安寺北側にある七つの陵墓の総称である朱山七陵へ。京都の街が眼下いっぱいに広がる眺望の素晴らしい地だった。ここで昼食を取った。
休憩の後は等持院を訪ねた。足利将軍代々の菩提所である。また映画の神様と言われた牧野省三の銅像もある。そして六請神社。ここには天照大神にはじまり石清水、賀茂、松尾、稲荷、春日の六大神がそろって祀られている。
最後の訪問先は櫻谷文庫。中には入れずここでこの日の行程は終了した。参加者の皆様は探訪先で熱心にメモを取られ、加納講師にも多数の質問が寄せられ、大好評の裏に散会となった。(運営委員・中村吉男)
【2020年12月7日更新】
※この記事は「活動報告」→「ぶらり探訪」頁にも掲載
_______________________________________________________________
さらんネット第19回文化講演会の報告
「失われつつある嵯峨嵐山の文化遺産」
金久孝喜 運営委員 講演
NPO法人さらんネット第19回文化講演会が11月28日、京都府立京都学歴彩館にて開催された(写真上)。演題は「失われつつある嵯峨嵐山の文化遺産」、講師は金久孝喜氏
(公園計画設計士、史跡調査補修設計士、郷土資料研究家、さらんネット運営委員)
古くから平安貴族に愛されてきた、風光明媚・山紫水明の景勝地、嵯峨嵐山地域が乱開発などによってその景観が失われつつある。幼少時代からこの地に住む講師(金久氏)にとっては、心傷む思いも込めた講演であった。
昔の風情を残していた講師の幼少時と最近の景観を写真などで比較して痛ましい現状の掲示があった。嵯峨天皇が愛したこの地域は王朝文化の風雅に浸る多くの文学遺産も残している。今、この景勝地の竹林、田畑、巨樹、茅葺屋根等々が乱開発によって損なわれてきていることをスライドを使って説明があった。
また最近では、近年外国資本によって土地の取得が加速、追い打ちをかけるように2022年の土地問題があり益々危惧される。農地の宅地化を防ぐためには生産緑地を如何に守るかと言う事と一体であり、地域の農産物のブランド化などにより地域で消費するいわゆる地産地消策も一考である。
地域住民の方にも知られていない、文化(土木)遺産である角倉隧道と戸無瀬の滝ついても説明があった。何れの遺産も保存の方法を真剣に考えるべきである。
結びに、講師として今後取り組んでいきたい課題として、①長辻通りの松並木の復活、②嵐山観光交流会館の建設、③嵐山の森林整備(植林)を提示された。
※この記事は「活動報告→文化講演会」のページにも掲載
【2020年12月1日 更新】
_______________________________________________________________
さらんネット第18回文化講演会の報告
想定外の水害を〝凌ぐ〟発想を
宮本副理事長講演 数度の氾濫に耐えた桂離宮の防災思想
NPO法人さらんネット第18回文化講演会が10月11日京都府立京都学歴彩館にて開催された。演題は「想定外洪水から命を守る」、講師は宮本博司氏(元国土交通省淀川河川事務所長、本省防災課長・淀川流域委員会委員長、現NPOさらんネット副理事長、樽徳商店社長)。多数の参加申し込みがあったが、コロナ対応で止む無く参加者入場制限を行ったため63名の方の参加となった。
2011年の東日本大震災以来、日本全国で地震や豪雨による自然災害が毎年の様に繰り返されている。国の防災方針は、過去の実績値を参考に想定した基準に従って定められているが、自然現象と言うのは想定した時、想定した場所、想定した規模、想定した範囲内に起こるものでない。このギャップが異常な災害として国民の命を危うくしている。
講演では、各論として京都の洪水危険ゾーンについても解説があった。河川に沿って開発された住宅地は、所謂天井川と呼ばれる河川に沿っているわけで、河川の決壊が大きな被害に繋がる。又、これら河川の堤防は土砂又は砂で構築されているので強度的に濁流には耐えられない。堤防の補強こそ国土の強化策として急がれるテーマであるが、一方ダム建設の方策とのからみで大きく遅れている。
想定外の災害を防ぐのではなく凌ぐと言う発想が大切なのではないかと提案したい。
京都には数百年の古くから、今でも役立つ素晴らしい防災の発想が存在する。
400年前に構築された桂離宮は、桂川に沿って構築されているが、数度にわたる川の氾濫にも見事に耐え凌いできた歴史がある。
それは、洪水が起こる事を前提にした高床式の構築物と、洪水時につきもののゴミや土砂を防ぐフィルターの役割を果たしている敷地周囲に張り巡らされた生垣(笹垣)である。発想の転換が求められる時代である。
多くの参加者から大変有意義な内容であったとの謝辞をいただいた。
※この記事は「活動報告→文化講演会」のページにも掲載
【2020年10月16日更新】
……………………………………………………………………………………
講演会写真集 撮影:駒井一正(運営委員) 2020.10.11
会場内の様子(1) 2020.10.11 京都学歴彩館
開会のあいさつ(大前理事長)
講師(宮本副理事長)
鵜野氏、山本氏 両運営委員
司会(大島理事)
会場入り口
会場内の様子(2)
__________________________________
歴彩館/さらんネット講演会のお知らせ
『想定外洪水から命を守る』
10月11日(日) 14:30開場 15:00開始
講師 宮本博司氏
(元国土交通省淀川河川事務所長・本省防災課長・元淀川流域委員会委員長)
※下に掲載のチラシをご参照ください(チラシをクリックすると拡大します)
※検温・マスクの着用確認・手指のアルコール消毒 の3点を館の職員が実施します。
※定員は、座席の間隔を空けるため先着40名です。
…………………………………………………………………………………
________________________________________
歴彩館/さらんネット講演会
変更開催日のお知らせ
新型コロナウィルスの影響で延期となっていたNPOさらんネットの講演会『失われつつある嵯峨・嵐山の文化遺産』の変更開催日が11月28日(土)に決まりました。感染防止策を徹底して開催いたします。どうぞ多数のご来場をお待ちしております。
※下に掲載のチラシをご参照ください (チラシをクリックすると拡大します)
※検温・マスクの着用確認・手指のアルコール消毒 の3点を館の職員が実施します。
※定員は、座席の間隔を空けるため先着40名です。
…………………………………………………………………………………
_____________________________________________________________
歴彩館講演会 延期のお知らせ
6月28日に開催を予定していました今年度第1回目の歴彩館講演会――「失われつつある嵯峨・嵐山の文化遺産」講師:金久孝喜氏――につきまして、現下のコロナ禍対応により延期する事が確定いたしました。
目下、代替日を調整中です。詳細が決まり次第ご案内致します。
その節はどうぞ宜しくお願いいたします。
NPO法人・さらんネット
※講演会の新しい開催日は11月28日(土)に変更・確定しました。上のチラシをご参
照ください。(2020年5月27日現在)
__________________________________________________________
京都学歴彩館・さらんネット第17回文化講演会
講演会「魔界と妖怪」盛況裏に
平安遷都にまつわる怨霊と鎮魂の歴史
NPO法人さらんネット第17回文化講演会が2月16日、京都府立京都学歴彩館で盛況裏に開催された。参加者は330名。講演のテーマは「魔界と妖怪」。講師は国際日本文化研究センター所長で、学究生活40年を超える文化人類学および民俗学者の小松和彦先生。(写真は講演会会場と京都新聞の記事)
今回小松先生は、日本の妖怪伝承は世界でも稀にみる豊かな内容の文化である事を語られた。妖怪とは何処にいるか? その棲み処は? 等々を4つの伝承、すなわち口承、書物、劇、絵画を通して話された。
1200年の歴史をもつ京都には怨霊、妖怪、鬼(大江山酒呑童子)、天狗等の歴史的痕跡が数多くあり、怨霊が祟(たた)りとなる考え方はすでに奈良時代からあったという。
有名なのは、桓武(かんむ)天皇が奈良・平城京から長岡京~平安京へ遷都を行う過程で腹心の藤原種継(たねつぐ)が暗殺されるという大事件にまつわる話である。桓武天皇はこの陰謀を企んだという嫌疑を弟・早良(さわら)親王にかけ、これを処刑し、その亡骸を淡路島に流す死後処刑の極刑にした。この処罰の後、桓武天皇の周辺で様々な不幸が連続する怨霊問題に発展したのだ。天皇の生母・高野新笠(たかののにいがさ)、皇后・藤原乙牟漏(ふじわらのおとむろ)が相次いで死に、洪水や疫病の流行など天災も続いた。
これは早良親王らの怨霊だと恐れた桓武天皇が、この霊を鎮めようと創祀し上御霊神社を創建したとされている。その他にも藤原時平の讒訴(ざんそ)により流刑となった菅原道真は北野天満宮に、保元の乱で敗北した崇徳院は白峯神社に、後醍醐天皇は天龍寺にそれぞれの霊を鎮めるために祀られている。
陰陽道では怨霊は鬼とみなされ、道饗祭(みちあえのまつり)、鎮花祭(はなしずめのまつり)、四角四境祭(しかくしきょうさい)などで霊を鎮める習わしがある。祇園祭、節分祭、やすらい祭、梅花祭などもそうした鎮魂の祭りだ。店舗や住宅に鬼門をもうける習わしも今日まで続いている。
また小松先生は、学究生活で特に印象に残った訪問地として「諸国一見の僧」のように神泉苑、もどり橋、鞍馬寺の三ヶ所ついて話された。
神泉苑では、雨乞いの祈祷で空海に負けた守敏(しゅびん)の逸話、祇園祭の鉾の原型の話、もどり橋では三善浄蔵(みよしのじょうぞう)が父・清行(きよゆき)の葬列に出くわし泣き崩れると死人があの世から生き返ったという伝承がある。現代でいうならゾンビである。
また出征兵を思い家族がもどり橋へ行くと無事もどる。反対に縁談にかかわるひとは嫁が実家にもどるから行ってはいけない等々の伝承もある。また有名な鞍馬寺は天狗の首領・鞍馬天狗が義経に剣術を伝授し、義経が修行した場所であるとの逸話も紹介され、講演は万雷の拍手で終えられた。
最後にサランネットの大島理事が雨天、新型コロナウイルスの影響にも拘わらず多くの参加者にご来場いただいたことに謝辞を述べ、今後のさらんネット文化講演会を6月28日、10月11日、令和3年2月14日に開催する予定であることをお知らせして終了した。(運営委員・中村吉男)
※この記事は「活動報告→文化講演会」ページでも閲覧できます
_____________________________________________________________
【121回定例会 別紙資料】 2020.8.30更新
NPO法人さらんネット
角倉隧道を土木遺産へ
大覚寺北の長尾山を越えてしばらく行くと菖蒲谷池という約3.2haの溜池があります。この池は人工の池で、約390年前に、保津川を開削した事で有名な角倉了以の甥・吉田光長と吉田光由が水で苦しむ北嵯峨農民を救うため、大覚寺からの依頼を受け、菖蒲谷 の一部を堰き止めて、今で言うダムを築き、かつ、長尾山・京見峠の下を貫く隧道を掘ってその水を北嵯峨の農地へ流し込む大土木工事を行いました。
関係者の補修と管理により、今日でも絶え間なく水が流れて続けて、地元の田畑を潤しています。長さ約200Mのこの隧道の中は、ほとんどが岩盤をくり抜いた構造で人がやっと通れるほど狭く、入口と出口の一部が石積みと蓋石の切り石で補強されています
驚くべきは工事の短縮を図る為、出口と入口の両サイドから堀り進められており、ほぼ真ん中の地点でズレなくつながっています。当時の掘削測量技術の精度を知るうえでも大変貴重な遺産でもあります。
またこの難工事を指揮した人物(吉田光由)は、1627年に「塵劫記」という和算書を刊行し、大正時代まで愛読された日本一の大ベストセラ-で、日本人の算術のレベルを向上させた大数学者であります。そのほんを書いた直後にこの難工事に取り掛かっており、まさにその中に書かれている内容(土量算定式等)を使い工事を成し遂げていると推察されます。そういった意味でこの隧道は大変貴重な遺産であります。
ところが長年の使用の為による痛みがだんだん発生し、2011年には水門の漏水が見られ、2012年入り口部の水門取り換え工事がおこなわれ、その時、地中から重機によって巨大木通(木管)が掘り起こされました。その後この木通の一部は、二尊院に大切に展示保管されております。
約390年前に当時の最先端の土木技術と測量技術を持った角倉一族が手掛けた事と、当時の土木技術を知るうえで大変貴重な遺産であるので、これからの補修についても、できるだけ現状を痛めないように補修を計画し、工事前に、現況の状態を調査記録し後世に伝える必要があると考えます。
これからの私達さらんネットは、地元はもちろんできるだけ多くの方々にこの隧道を知って頂く為の啓蒙活動に取り組むと同時に関係者(地元水利組合及び行政)の方々と連携を取り、まずこの隧道を歴史的遺産(土木遺産)として認定していただけるように、取り組んでいく所存です。多くの皆様方のご支援やお力添えをお願い致します。
_______________________________________________________________
京都学・歴彩館府民協働連続講座のご案内 =入場無料=
NPO法人さらんネット 第17回文化講演会
昔から、日本人は妖怪や迷信とともに生き、不安や恐れ、神秘感といった思いを共有して暮らしてきました。鬼・天狗・山姥等々、妖怪はなぜ絵巻や物語に描かれ、再生産され続けたのでしょうか。
豊かな妖怪文化を築いてきた日本人の想像力と精神性を、妖怪・怪異研究の第一人者で、日本における怪異・妖怪文化に関する総合的研究をされている小松和彦先生に京都の例も含め、お話し頂きます。
(写真上は、歌川芳艶画・大江山の酒呑童子と源頼光主従=江戸時代 )
講師:小松和彦 国際日本文化研究センター所長
昭和22年、東京都生まれ。国際日本文化研究センター所長。
専攻は文化人類学・民俗学。
*日時:令和2(2020)年2月16日(日)
<受付:13時>*講演:14時~16時
*場所:京都府立京都学・歴彩館 1階 大ホール
*入場料:無料 <満席になり次第締め切らせて頂きますのでご了承ください。>
※必ず、事前申込みが必要です。メールかFAXで申込んでください。
※ご注意 他の申込をされた方の迷惑になりますので、当日の無断欠席は厳禁です。
事務局(連絡先):〒610-1141 京都市西京区大枝西新林町6丁目11-9 大前皓生 方
E-mail:teruo.omae@gmail.com
FAX :075-333-1152
_______________________________________________________________
西京ふれあいまつりにブース参加
「みんなで創る新しい時代。ぶんかと自然の西京」
11月16日、京都市西文化会館ウエスティで西京区民ふれあいまつりが開催され、当さらんネットも昨年に続き参加しました。今年のテーマは「みんなで創る新しい時代。ぶんかと自然の西京」。好天にも恵まれて大勢の来場者かあり、マスコットキャラクターの縫いぐるみ「にしきょう・たけよん」が会場を練り歩き賑わいました。
さらんネットのブースでは機関誌『さ・らん』の配布や、書籍『京都・嵯峨野誕生物語』(さらんネット刊)を販売、来年2月16日に予定されている第17回文化講演会の案内、小松和彦先生の魔界と妖怪チラシを見せながら機関誌を配布。機関誌は300部を完配しました。本は4冊販売(既に購入済の方が多くありました)。小松和彦先生の知名度が高く、妖怪話に区民の関心は高かったです。(中村吉男)
【2019年11月22日更新】
_______________________________________
講演会「嵯峨大念仏狂言の歴史と今」盛況裏に
11月14日 参加者の狂言面着用体験も
令和元年11月14日、当さらんネット特別無料講演会(京都学・歴彩館府民協働講座)が『嵯峨大念仏狂言の歴史と今』と題し、約70名の参加を得て開催しました。講師は当さらんネット副理事長の加納敬二さん。
嵯峨大念仏狂言が執り行われる清凉寺は、嵯峨天皇の皇子源融(みなもとのとおる。光源氏のモデル)の山荘を寺に改めた棲霞寺(せいかじ)がその原型と伝えられる。奈良東大寺の僧奝然(ちょうねん)が中国(宋)に渡って修行の後、釈迦尊像を持って帰国。釈迦像は一時上品蓮台寺に安置され、没後、弟子の盛算(じょうさん)が師の遺志を継いでこれを移し創建したのが清凉寺である。
この釈迦像は国宝で清凉寺式釈迦如来と呼ばれ、尊像胎内に絹で出来た人間の内臓の模型があり、非常に珍しいことで有名である。
また毎年3月15日のお松明式は、釈迦涅槃(ねはん)の荼毘(だび)を暗示する行事で、三基の大松明は三種の稲(早稲、中稲、晩稲)の豊凶をも占うもので京都三大火祭り(鞍馬の火祭り、五山の送り火)の一つである。
さて本題の大念仏狂言。雅楽が奈良時代に中国大陸より伝わり、平安時代に変化した様に、能と狂言の元祖も奈良時代に大陸から伝わってきた散楽が平安時代に変化して猿楽に変わったことは雅楽とよく似ているところがある。
この猿楽が歌舞劇風になったのが能であり、喜劇風になったのが狂言である。故に能と狂言は密接な関係にあり能と能の間に狂言が演じられる事がしばしばある。
狂言の創始者は鎌倉時代中頃の僧、円覚十万(えんがくじゅうまん)上人である。最初はJR花園駅近くの法金剛院(蓮寺とも言われ、国の特別名勝の青女の滝、夏の蓮の花も有名)を本拠として壬生や嵯峨に広められた。これは仏教の布教のため仏の教えを説いたものである。京都には三大念仏狂言がある。壬生寺の壬生大念仏狂言、引接寺の閻魔堂大念仏狂言、嵯峨清凉寺の嵯峨大念仏狂言である。
壬生、嵯峨は狂言面をつけての無言劇で、引接寺は有言劇であるのが特徴であるとの説明を受け、講演を終えた。
質疑応答に入り、狂言の面の保管場所は? なぜ狂言なのか? 能と狂言の面の違いは? 等々活発な質問があり講師の加納氏が丁寧に解かりやすく応答しました。
最後に注目の狂言面の着用実技が行われた。二人の女性がこれに参加し、会場は興味津々で一瞬固唾をのむ静寂。素晴らしい雰囲気に包まれて大好評のうちに講演会を終えることが出来ました。(中村吉男)
【2019年11月22日更新】
_______________________________________
第18回さらんネットぶらり探訪Report
「三条通界隈 秦氏の足跡を追う」盛況裏に
令和元年10月26日、ぶらり探訪「三条通界隈、秦氏の足跡を追う」に40名が参加されました。(晴れ、10時右京区役所前出発~16時松尾大社着)
コースは蚕の社(木嶋神社)、大酒神社、広隆寺、大映通り商店街、蛇塚古墳、天塚古墳、梅宮大社、松尾大社であった。作家司馬遼太郎が『街道を行く』で、"この地を歩いて古代の秦氏を考えないのは、ローマの遺跡を歩いてローマ人を考えないのと同じ位鈍感"の一説を思い浮かんだ探訪であった。
●蚕ノ社元糺の池
初めに蚕の社元糺の池で(今は涸れている)、案内講師のさらんネット加納敬二副理事長からコース全体の解説があった。
まず、秦氏は大陸から様々な技術をもたらしたひとつに養蚕がある。蚕の社は蚕の神を祀っている。元糺は古く、下鴨神社の糺はここより移したとも言われる。三柱鳥居(京都三大珍鳥居)の方角が稲荷山、松尾山、双ヶ丘に方位が一致すること。
●大酒神社
次に、大酒神社の酒はお酒ではなく災厄を避けること(大避)を意味する。元は広隆寺の境内にあったが明治の神仏分離令後、現在の位置になった。広隆寺は、聖徳太子より秦氏が一体の仏像を賜り本尊として建立、国宝第一号の弥勒菩薩はあまりにも有名、牛祭り(京都三大奇祭)今は中止等。
●大映通り商店街
次に、大映通り商店街は、かつてこの界隈には大映をはじめ映画の撮影所が立ち並び、日本のハリウッドといわれたこともあった。この商店街のスーパー前に6メートルの大魔神が建っている。
●蛇塚古墳
そして、今回の探訪のメインは史跡蛇塚古墳、史跡天塚古墳である。蛇塚古墳は6世紀末~7世紀初の京都府下最大の前方後円墳で飛鳥の石舞台古墳よりも大きい。封土が失われ、石室が露出、石室内に入り巨石に圧倒される、重機のない時代に巨石が清滝から修羅でなく運河で運ばれたこと、高度な土木技術に驚嘆である。この秦氏の高度の技術が西陣織や角倉了以の堰、高瀬川等が出来、琵琶湖疏水が出来、ダム等いろいろな分野が連綿と継承し今日に至っているといっても過言ではない。
●梅宮大社
次に、梅宮大社(秦氏とは無関係)は橘の氏神、嵯峨天皇の皇后橘嘉智子がここで祈願して仁明天皇を授かったことから子宝、安産の神様とされている。
最後は、松尾大社は酒の神様としても有名。松尾大社は秦氏の氏神、松尾祭は神輿が川を渡る船渡御があり非常にめずらしい、これは秦氏が海を渡ってきたことの郷愁とも受けとめられる。
参加者の皆様が巡回先々で熱心にメモをとり活発な質問をされ、楽しい有意義な探訪でした。また参加者から来年はいつ開催ですか、来年も是非参加したいと嬉しい言葉を頂きました。終わりに大前理事長より参加者の皆様に謝辞で解散しました。
(2019年11月3日更新 運営委員:中村吉男)
______________________________________________________________
さらんネット特別無料講演会(京都学・歴彩館府民協働講座)
『嵯峨大念佛狂言の歴史と今!』
鎌倉時代に始まり今も受け継がれている「嵯峨大念佛狂言」
その歴史を大覚寺や清凉寺に残された絵図や文献などから
嵯峨狂言の特徴と「無言劇」の面白さを
嵯峨大念佛狂言の囃し方(はやしかた)で
保存会事務局長の講師が解説します
日時:令和元年11月14日(木)受付14時30分、開演15時~16時30分
場所:京都府立京都学・歴彩館 1階小ホール
(地下鉄「北山」駅出口①から南へ徒歩4分)
※事前申込してください。現在、少しお席が残っています。
※お名前(人数)・ご住所・電話番号をご記入のうえ
事務局宛にFAXまたはメールでお願いします。
(さらんネット事務局・連絡先)
Fax:075-333-1152
e-mail : teruo.omae@gmail.com
______________________________________________________________
嵯峨嵐山に多くの遺産、秦氏一族の功績をしのぶ
7月18日 歴彩館共催の歴史講座第1回 盛況裏に開催
NPO法人さらんネットの歴史講座「京都の歴史のルーツを探る/嵯峨野地域の歴史について 特に嵯峨野の古墳群」が、2019年7月18日、午後3時より京都学歴彩館にて開催された。当NPOでは定例の講演会を毎年開催しているが、今年後より京都府歴彩館との共催で開催することになり、今回はその第1回。今年度中に更に2回開催する。
埋蔵文化財の権威で当さらんネットの加納副理事長が講師を務めた。参加者は95名で盛会裏に開催する事が出来た。(写真上)
7月6日にユネスコ第43回世界遺産委員会で仁徳天皇陵古墳が世界遺産登録に決まったこともあり、古墳には関心が高まっている。そうしたなか、講座では渡来系の蘇我氏(仏教)と物部氏(神道)の宗教的争い、飛鳥時代につらなる雄略天皇(第21代)が秦酒公を統率者とした頃のいきさつ、秦氏一族が推古天皇(女帝)の時、秦河勝が聖徳太子から仏像弥勒菩薩像を授かり広隆寺を建立したこと、秦氏ゆかりの地京都、嵯峨・嵐山に広隆寺(秦河勝)松尾大社(秦忌寸都理)伏見稲荷大社(秦伊呂具)蚕ノ社等々を建立したこと。また、暴れ川だった桂川を先進の土木技術で井堰、灌漑、堤防を築き御築き穀倉地帯に変え、稲作、養蚕、機織りの産業を興し、都市区域から離れた山紫水明の地に多くの古墳(天塚古墳、蛇塚古墳・・・)を築いた事などが解説された。
講座終了後、質疑応答で、聴講者から活発な質問があった。
秦氏一族の功績は偉大無比で、嵯峨、嵐山には身近な所に貴重な歴史的遺産があり、大切に保存し次世代へ継承を義務付けられている事を改めて認識する講座でもあった。
【2019年7月23日更新】
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【満員御礼】
この度ご案内申し上げた下記7月18日の講演会は定員に達しましたので、新規お申し込みはお受け出来なりまりました。悪しからずご了承ください。
(2019年6月26日)
京都学・歴彩館 府民協働連続講座のご案内
当さらんネットでは、京都北山にある文化・学習交流拠点「京都府立京都学・歴彩館」において府民協働の連続講座を開始します。その第一回「京都の歴史のルーツを探る/嵯峨野地域の歴史について 特に嵯峨野の古墳群」と題する歴史講演会を7月18日、下記のチラシ記載の要項で行います。多くの皆さんのご参加をお待ちします。
※下のチラシはクリックすると拡大できます。
講師:加納敬二氏
(京都市考古資料館、嵯峨大念佛狂言保存会、NPOさらんネット副理事長)
*日 時:令和元(2019)年 7月18日(木)<受付:14時30分~>
*場 所:京都府立京都学・歴彩館 1階 小ホール
*講 演:15時~16時30分
*入場料:無料
(特別資料「京都嵯峨野誕生物語」(A5・カラー110頁)1冊1,000円。数量限定)
事務局(連絡先):京都市西京区大枝西新林町6丁目11-9 大前皓生 方
(e-mail) teruo.omae@gmail.com
(Fax)
075-333-1152
………………………………………………………………………………
__________________________________________________
お知らせ
さらんネット第116回定例会が6月9日に行われました。議事録は左のナビゲーションから「活動報告/例会議事録」のページにて閲覧できます。(2019年6月13日更新)
_______________________________________________________________
令和元年、元役員物故者の方々の追悼法要
令和元年5月15日、さらんネット元役員・運営委員の物故者8名の方々の追悼法要を、妙心寺塔頭・退蔵院にて松山大耕副住職により執り行いました。
【2019年5月17日の記事】
_______________________________________________________________
中高年のための安全登山講習会、無事終了
3月24日 比叡山から大原へ10キロの行程を歩く
装備、歩行速度、トラブル対処などを体験
3月24日、中高年安全登山講習会が京都府山岳連盟会長・四方宗和氏を講師に迎え、比叡山から大原へのコースで開催されました。
【2019年3月24日の記事】
_______________________________________________________________
文化講演会は盛況でした
「ブラタモリ」の梅林秀行さん
最新の知見から京都、嵯峨嵐山の地形を読み解く
2月16日、右京ふれあい文化会館で、当さらんネット主催の文化講演会が215名の参加者をえて行われました。講師はNHKの人気番組『ブラタモリ』の案内役として最多出演され、タモリさんから全幅の信頼を得ておられる「京都高低差崖会」崖長・梅林秀行さん…続きを読む (活動報告ページ)
(2016年2月16日の記事)
_______________________________________________________________
文化講演会のお知らせ 京都新聞が紹介
2月16日に開催を予定しているNPO法人さらんネット定例文化講演会を紹介する記事が、6日付の京都新聞(写真下)に掲載されました。以下転載します。
(2019年2月8日)
* * * * *
嵯峨野の地形 「崖長」が解説 16日、右京
嵯峨・嵐山地域で観光文化事業を展開するNPO法人「さらんネット」は、第16回文化講演会を16日午後2時半から右京ふれあい文化会館(京都市右京区太秦安井西裏町)で開く。
今回はNHK「ブラタモリ」の案内役として知られる京都市高低差崖会崖長の梅林秀行さんが講師で、「京都盆地の出来上がり方 なぜ嵯峨嵐山はそこのあるのか?」と題し、嵯峨野に数多く残る古墳群が自然の地形を生かして造られた背景などを解説する。
午後4時半まで。無料だが事前申し込みが必要。氏名、参加人数、住所、電話番号を明記し、さらんネット事務局ファクス075(333)1152か、メール teruo.omae@gmail.comへ。
____________________________________________
【※本講演会は2019年2月16日に終了しました】
NPO法人さらんネット
第16回文化講演会のご案内
京都盆地の出来上がり方
~なぜ嵯峨嵐山はそこにあるのか?~
講師・梅林秀行先生(京都高低差崖会・崖長)
NHK『ブラタモリ』の案内役として最多出演され、タモリさんに全幅の信頼を置かれている「京都高低差崖会」崖長・梅林秀行さんから、街歩きを何度も重ねられて最新の知見をミックスした京都、とくに嵯峨・嵐山の地形と歴史を紐解いて頂きます。番組『ブラタモリ』の裏話も交えた興味深い京都の話をお聞きします。
《梅林秀行先生プロフィール》
京都を中心とした凸凹地形を探索する「京都高低差崖会」で活動中。まち歩きガイドもつとめる。NHKテレビ番組「ブラタモリ」準レギュラー。最新出演は2018年4月放映「京都・銀閣寺編」及び「京都・東山編」。著書に『京都の凸凹を歩く』1&2巻(青幻舎)。
「まちが居場所に」をモットーに、まちの日常と物語から生まれたメッセージを大切にしている。趣味は銭湯へ通うこと、おいしいくるみパンを探すこと。
(=写真左「ブラタモリ京都祇園編」にて)
《記》
日時:平成31年2月16日(土)
受付・開場13時30分~
講演:14時30分~16時、質疑応答~16時30分(終了)
場所:「右京ふれあい文化会館」 TEL:075-822-3349
京都市右京区太秦安井西裏町11番地の6(JR花園駅から南へ約150m)
アクセス
【市バス】*27号系統「右京ふれあい文化会館前」下車
*91号系統・93号系統「花園駅前」下車
*8号系統・75号系統「黒橋」下車
【電 車】*JR嵯峨野線「花園駅」下車南300m
*地下鉄東西線「太秦天神川駅」下車(1番出口)国道162号線北800m
*嵐電「嵐電天神川駅」下車900m
※入場料無料 ☆必ず申し込みが必要です☆
(満席になり次第締め切らせていただきますのでご了承下さい)
★ご注意★
当日無断で欠席された場合は、資料代等を請求しますのでご留意下さい。
主催:NPO法人「さらんネット」 http://www.saga-arasiyama.jp
事務局(連絡先):京都市西京区大枝西新林町6丁目11-9 大前皓生 方
Fax:075-333-1152 e-mail : teruo.omae@gmail.com
緊急用090-1027-7374
※参加申込方法
FAXまたはE-mailで「第16回文化講演会参加希望」とご記入のうえ、
氏名・人数・連絡先を明示してお送りください。
______________________________________________________________
“歴史の博物館”を堪能しました
12月2日 嵐電貸切の特別企画、はんなりと
12月2日、当NPO法人さらんネットの年末特別企画、嵐電本線(大宮駅~嵐山駅)貸し切り企画が行われ、26名の方が参加されました。
嵐電に乗車の後、加納理事より事前に配布した資料をもとに各駅にまつわる歴史の説明があり、参加者は熱心にメモをされていました。(写真上)
とくに印象的だったのは、秦(はた)氏に関係の深い飛鳥時代(592~710年)を代表する日本の国宝第一号たる弥勒菩薩、聖徳太子の菩提のために建立された広隆寺、嵯峨天皇の檀林皇后を葬送する折りに一陣の風が吹き帷子(かたぴら)が飛び散った場所といわれる帷子の辻駅、亀山天皇の行幸の折りに牛車の車軸が折れて動けなくなったという車折(くるまざき)神社。この神社は芸能の神様でもあり、多くの芸能人や宝塚歌劇団の方たちが多数の訪れることでも知られている等々…まさに歴史の博物館のような沿線でした。
終点の嵐山駅は駅構内に友禅染めをあしらった600本のポールが立ちならびます。屋上には小庭園があり、そこからの眺めは紅葉も華やかな嵐山一帯を見下ろすことができました。
京ことばでいう “はんなり” “ほっこり” 。本当に癒される一日でした。
_______________________________________________________________
旧嵯峨街道から京の山の野辺の道を探訪
第17回ぶらり探訪 盛況裏に開催 11月23日
11月23日、第17回 ぶらり探訪「旧嵯峨街道から京の山の辺の道を行く」を開催しました (写真上) 。44名の参加者があり、事故もなく盛会裏に開催出来ました。
……続きを読む(ナビゲーション「活動報告→ぶらり探訪」ページ)
【2018年11月23日の記事】
※この記事はナビゲーションの「活動報告→ぶらり探訪」ページで
過去の活動記録を含め閲覧できます。
_________________________________________________________
「西京区ふれあいまつり」に出展
NPO法人さらんネットでは、11月17日に開催された「西京区ふれあいまつり」に
出展致しました。(写真上)
__________________________________________________________
嵯峨狂言堂 お披露目の法要
「嵯峨大念佛狂言」を公演する京都市右京区の嵯峨釈迦堂(清凉寺)に建つ嵯峨狂言堂の修復工事が完了し、このほど完成法要と内覧会が開かれたことが10月18日付の京都新聞で紹介された(写真上)。当NPO理事の加納敬二さんが嵯峨大念佛狂言保存会の事務局長を務めている。以下転載します。
………………………………………………………………………………
嵯峨狂言堂 修復完了
右京 釈迦堂でお披露目――古い柱は残し、床板ヒノキに
京の三大念佛狂言のひとつ「嵯峨大念佛狂言」を公演する京都市右京区の嵯峨釈迦堂(清凉寺)に建つ嵯峨狂言堂の修復工事が完了した。このほど完成法要と内覧会が開かれ、生まれ変わった姿がお披露目された。
内覧会では出席した約60人の関係者が舞台に上がり、設計したNPO法人京町家再生研究会や施工業者から、古い柱を残していることや、鉄骨部分をすべて木材に替え、床板はすべてヒノキに張り替えたことなどの説明を受けた。
法要では、読経と焼香の後、嵯峨大念佛狂言保存会の松井嘉伸会長が「みなさんのおかげで完成させることができた。後の世代に嵯峨狂言を残すため、全員でがんばっていく」とあいさつした。
真新しい舞台では、大工でつくる番匠保存会の有志による「木遣り音頭」や、嵯峨狂言の演目「釈迦如来」が披露された。
修復工事は2016年11月から始まり、約2年半続いた。21日午後1時から秋季公演が開かれる。演目は「愛宕詣」と「土蜘蛛」。千本ゑんま堂大念佛狂言が特別出演し、「鬼の念仏」と「紅葉狩」を行う。観覧無料。(11月18日 京都新聞より)
______________________________________________________________
________________________________________
さらんネットに参加しませんか!
新規会員募集中 入会案内をご参照ください!
当NPO法人さらんネットは、会員の皆様が拠出する浄財によって運営されています。現在、新規会員を募集中です。以下に当NPOの設立趣旨と入会案内を紹介します。ご一読のうえご検討いただければ幸いです。
事務局にご連絡いただければ機関紙『さ・らん』をお送りいたします。
【事務局への連絡・問い合わせ先】
FAX 075-333-1152
E-Mail teruo.omae@gmail.com
※お名前・ご住所・ご連絡先(メールアドレス/お電話番号)を明記して下さい
* * * *
さらんネット入会のご案内
拝啓 早春の候、皆様方に於かれましてはご壮健にてお過ごしの事と存じます。
日頃はNPO法人さらんネットの運営の件で何かとご厚誼を賜り、厚く御礼申し上げます。
NPO法人さらんネットは、創立13年目を迎えました。嵯峨・嵐山地域は、世界中から多くの観光客が訪れる観光の名所です。季節毎に繰り広げる自然のパノラマと、人とのハーモニーが素晴らしい所であります。歴史や文学に登場する場面も多数あります。
私達京都生まれにとって、毎日のように目にする当たり前のところであっても、嵯峨嵐山は何百年も掛かって出来た自然美なのです。
嵯峨嵐山は、日本や世界の人々にとって、変えがたい名勝です。私達は、世界の人が訪ねてくる自然美を護らなければなりません。伝えられてきた、伝統芸能や風光を維持し、それを次代に継承する義務が有ります。
この様な思いで、少しでもお役に立ちたいと思う町衆が自然に集まって、平成16年11月 NPO法人さらんネットが誕生、私共の活動が始まりました。
当会は、会員の皆様方の浄財のみで運営を致しております。就きましては、趣旨にご賛同頂き入会をお願いするものでございます。
つきましては下記の要領にて年会費の納付をお願い申し上げる次第でございます。皆様方のご高配とご協力をお願い申し上げます。
今後とも、倍旧のご支援ご鞭撻を賜ります様、何卒宜しくお願い申し上げます。末筆ながら、ご一同様のご多幸をお祈り申し上げます。 敬具
平成30年3月吉日
NPO法人さらんネット 代表理事 大前皓生
………………………………………………………………………………
【会費及び振込先】
*入会金は不要です。
*年会費は以下の通りです
正会員……法人・団体 1口/10,000円
1口以上
正会員……個人 1口/ 7,000円 1口以上
賛助会員…法人・団体 1口/ 5,000円 1口以上
賛助会員…個人 1口/ 3,000円 1口以上
*下記口座(郵便振替)にお振込下さい。
(口座記号) 00960-4
(口座番号) 204284
(加入者名) 特定非営利活動法人 さらんネット
*郵便振込用紙は事務局(上記連絡先)へご請求ください
______________________________________________________________
『京都・嵯峨野誕生物語』が
KBS京都ラジオでも紹介されました
当NPO法人さらんネットの近刊『京都・嵯峨野誕生物語』が、4月6日のKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」で取り上げられ大前皓生理事長が出演。「嵯峨野の隠れた歴史に光を当てたガイドブックです。この本を読んだ地元の人が語り部となって嵯峨・嵐山の魅力を伝えて欲しい」と語りました。(下の写真をクリックするとKBS京都の過去放送で聴けます。00:49:30くらいから出演。12日まで再生可能)
* * * * *
____________________________________________
『京都・嵯峨野誕生物語』が京都新聞で紹介されました
先日発売された当NPO発行の歴史・観光ガイドブック『京都・嵯峨野誕生物語』が、3月17日付の京都新聞で紹介されました(写真下)。下に同記事の全文を転載。
嵯峨野の歴史 本で紹介
西京のNPO ウォーキングコースも
京都市の嵯峨嵐山の旧石器時代から近現代までの歴史をたどる本を、嵐山の観光振興に取り組むNPO法人が作った。時代別に史跡をめぐるウォーキングコースも掲載しており、「ガイドブックとしても活用してほしい」とPRしている。
NPO法人さらんネット(西京区)による五冊目の本で「京都・嵯峨野誕生物語」。地元に人にさえ知られていない嵯峨嵐山の歴史を掘り起こし、伝えようと編集した。
18カ所ある古墳の解説や、同志社女子大の山田邦和教授による平安時代と鎌倉時代の様子を再現した地図などを載せた。ウォーキングコースは5コースあり、古墳、平安、江戸など各時代に関係するこの地域の古墳や社寺を回る設定になっている。同法人の大前皓生理事長(78)は「嵯峨野の歴史は実は奥深い。ぜひたどってほしい」と話した。
A5判、110頁。市内の図書館で読める。問い合わせは同法人事務局ファクス075(333)1152。
(3月17日付京都新聞より転載)
_______________________________________________________________
ついに発売開始!
京都ウェストサイド・ヒストリーなび
『京都・嵯峨野誕生物語』
―――嵯峨野はどう生まれたか?―――
―――どのように変貌していったか?―――
―――壮大な嵯峨・嵐山の歴史を新しい視点から発掘する―――
『京都・嵯峨野誕生物語』は、当NPOが地域文化振興を主眼に発刊するガイドブック「京都ウェストサイド・ウォーキングなび」等シリーズの5冊目です。今回は嵯峨野の過去の痕跡と先人からの贈り物を未来に引き継ぐために、日本史全体から見た嵯峨野の変遷を明らかにしました。「観光」「遺跡」「歴史」三拍子そろった解説です。観光客の皆さんはもとより小中学生、親子で親しんで頂ければ幸いです。
嵯峨・嵐山地域は古くから開かれた京都の観光名所です。平安時代から江戸末期まで長いあいだ政治と文化の中心地として栄え、幾多の戦乱にも見舞われながら不死鳥のごとく蘇ってきた京都。その最大の一角をなす衛星都市として多くの寺社仏閣を中心に育まれてきた嵯峨・嵐山の歴史をひもときます。
このガイドブックを片手に嵯峨・嵐山地域を散策すると――例えば平安以前の飛鳥・奈良時代のこの地の様子をしのぶことも出来るでしょう。さらには古墳時代にまで遡って嵯峨野の遺跡を発見しながら歩くことも出来ます。また鎌倉・室町から比較的身近な江戸時代の嵯峨野、そして明治以後の文明開化の足音まで聞くことも出来ます。
本書『京都・嵯峨野誕生物語』は、この限りなく奥深くロマンあふれる歴史に彩られた嵯峨・嵐山の歴史をひもとく案内人として、ひと味違った一級の観光ガイドとして広く皆さまのお役に立てることでしょう。京都通を自負される方々にも自信をもってお勧めできる一冊です。(2018年3月7日)
A5サイズ 110頁 オールカラー
定価 1,620円(税込)
* * * * *
【参照・問い合わせ先】
NPO法人さらんネット
ホームページ http://saga-arasiyama.jp
〒610-1141 京都市西京区大枝西新林町6-11-9
FAX: 075-333-1152
_______________________________________________________________
『嵯峨野誕生物語』発刊(近日発刊予定)記念講演会
平安・鎌倉時代の嵯峨の実像に迫る
同志社女子大学教授 山田邦和教授が語る
さらんネット恒例の春の文化講演会が2月17日、京都市下京区のひとまち交流館で開催されました。今回の講演会は、当NPOの出版事業第5弾『嵯峨野誕生物語』発刊記念講演会です。講師は同志社女子大学教授で考古学や都市史学がご専門の山田邦和教授。「鎌倉との比較から見た中世の嵯峨」と題し、平安時代から残された貴重な地図など豊富な資料をもとに、平安京の欠くことのできない衛星都市だった嵯峨の位置取りについて約一時間半にわたり講演して頂きました。(写真上)
※活動報告-文化講演会欄に講演要旨を別掲
______________________________________________________________
●平成29年11月23日
晩秋の嵯峨野、広沢池周辺古墳群を行く
ぶらり探訪2017 圧巻の巨石群に歓声
11月23日、ぶらり探訪企画「晩秋の嵯峨野、広沢の池周辺の古墳を訪ねて」が41名の参加を頂き開催されました。
今回のコースは移築御堂ケ池1号墳=印空寺古墳=平安郷内~山越古墳群=(集合写真。撮影後昼食)=広沢古墳群=佛教大学宗教文化ミュージアム~七ツ塚古墳群=大覚寺古墳群=大覚寺境内~名古曽の滝まで。
午前9時半より大前理事長より、参加者の皆様への謝意と、当NPOの活動趣意の説明があり、加納理事が本日の探訪コースを専門家の立場から分かりやすく解説しました。午前10時に出発。雨上がりで空気も澄み、素晴らしい紅葉を見ながら坂道を踏みしめ御堂ケ池1号墳に到着しました。
古墳内に十数名が入り、その巨石ぶりに圧倒されました。そして君が代にうたわれたさざれ石山。出雲大社で見たことはありますが、これほど身近にあったとは驚きです。
眺望は素晴らしく松尾大社もよく見えました。好天なら大阪も見えるとのこと。
次に印空寺古墳。樹齢300年とも言われるタラヨウの大木です。「葉書き」の語源にもなったタラヨウの葉を見て平安郷内の山城古墳群へ到着。ここは広沢の池に面し紅葉も最高の別天地でした(集合写真)。
午後は広沢古墳群と佛教大学宗教文化ミュージアム、そて大覚寺古墳群へ。ここでも古墳内の巨石、石組に感心しました。
最終地点は大覚寺名古曽の滝です。境内の大沢の池は嵯峨天皇が竜頭鷁首(りゅうとうげきしゅ)の船を浮かべて詩歌や管弦の宴を繰り広げ、観月、観桜など四季折々の風物を楽しまれた池です。名古曽の滝は藤原公任や西行が和歌に詠んだ場所でもあります。
最後に大前理事長、加納理事の挨拶で散会となりました。
庶民が墓を持てたのは江戸時代になってからと言いますが、今から約千五百年前の古墳時代(弥生時代と飛鳥時代の間)後期の高度の技術と創意、工作物のスケール、すべてに驚きです。
参加者は歴史好きな方が多く、丁寧な質疑で熱心にメモを取られる方もいました。またこの地に大きな足跡を残した秦氏の高い地位や権力がよく理解されたと思います。
ぶらり探訪企画は来年も参加したいとの有り難い声も頂き、嬉しい限りでした。
(中村吉男)
※「活動報告欄―ぶらり探訪問」にも掲載しました
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「西京区民ふれあいまつり」に参加
11月18日 京都市西文化会館ウェスティにて
11月18日、京都市西文化会館ウエスティの内外会場において「西京区民ふれあいまつり」が開催されました。当NPO法人さらんネットも例年通り参加、機関誌「さらん」の配布や活動内容の説明にくわえ、11月23日の「ぶらり探訪」企画(広沢の池周辺探索=当欄でお知らせ中)、来年に予定されている『嵯峨野誕生物語』の発刊、2月「文化講演会」のお知らせ等を行いました(写真上)。
天気は朝から思わしくない一日でしたが多くの参加者が集い、訪れた門川大作京都市長にも日頃のお礼と説明をさせて頂き、楽しい一日となりました。(殿西幸弘)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
高齢者が外国人を「おもてなし」
15日にイベント 市民団体が茶道や書で文化交流
京都の高齢者が趣味の伝統文化を通して外国人との交流を試みるイベントが10月15日、上京区で行われる。4日付京都新聞で紹介された。主催者は当NPO副理事長の宮本博氏ら7人で結成された「京都シニアおもてなしクラブ」。15日は午後1時からメンバーのひとりが運営する「出町茶論」で行われる。(写真下=京都新聞記事)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
土岐憲三理事、瑞宝中綬章を受章
春の叙勲 4月21日閣議決定にて
当NPO法人さらんネットの理事を務める土岐憲三・京都大学名誉教授が、 このたび平成29年春の叙勲で瑞宝中綬章を受章されました。4月21日の閣議で決定され4月29日付で発令されました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
京都大好き?!「京都ぎらい」
井上章一先生講演会 奥深い歴史と郷土愛を語る
2月11日、当NPO法人主催の文化講演会が、井上章一先生を講師に招き河原町五条の「京都市
ひと・まち交流館」で開催されました。テーマは「嵯峨育ちから見た嵯峨の観光」。井上先生の著書『京都ぎらい』でも紹介された、洛中とは好対照の歴史を持つ嵯峨。ここに育った独特の郷土愛を自身の体験を通して優しく語って下さった。以下、参加者から寄せられた感想を掲載します。(写真上=井上先生)
………………………………………………………………………………………
「“嵯峨そだち”から見た嵯峨の観光」を聴講して
さらんネット運営委員 春田正弘
井上章一先生の標記講演を聞いた私の感想です。
花園に生まれられ、幼児から高校時代まで嵯峨に在住された同氏の青春時代のエピソードを中心に話されたものやわらかいトーンのお話は、嵯峨に住んでいる私には、大変懐かしいものでした。
私も嵯峨小学校の生徒であった頃、映画の撮影には、天龍寺や、清凉寺、大覚寺などよく出かけて行ったものです。舞台が江戸なのにどうして嵯峨での撮影?と思ったことは度々ありました。
先生の高校時代、つまり1970年代頃は、確かに嵯峨も女性の観光客が多く見うけられましたが、私には残念ながら先生のように女性を案内するようなトキメキはありませんでしたが……。今では様変わりに外国の観光客が増えています。私も定年退職後、15年間、ガイドで何度観光客に嵯峨をご案内したか、いい想い出ですが。
先生の著書である『京都ぎらい』を私も読ませてもらいました。私の感想では「京都ぎらい」どころか、講演を聞いていても本当は京都が大好きな方のように思えました。
講演の途中に、ピアノでのジャズ演奏2曲を弾かれたのには驚きでした。初めての体験でした。本当に講演を楽しませて頂き、嬉しかったです。(2017年2月11日)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「空き家の観光資源化」のプレゼン用チラシ完成
当NPOのプロジェクト「空き家の観光資源化」についてのプレゼン用チラシを掲載します。タイトルは「京都留楽のすすめ――“京都好き”なら“京都名人”になりましょう」。(※写真をクリックすると拡大して読むことができます)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
乙訓古墳群を訪ねウォーキング
「ぶらり探訪」企画 約30人が参加
11月23日、当NPO主催のウォーキング企画「ぶらり探訪」シリーズの第12回「乙訓古墳群を訪ねて」が長岡京市観光協会の後援を得て開催され、約30人が参加しました。今回訪ねたのは、長岡京市内にある恵解山古墳(いげのやまこふん)をはじめとする4つの「乙訓古墳群」。古墳時代(3世紀~7世紀)の首長の古墳群で、今年3月にはこの地域に散在する11基の古墳が「国指定史跡・乙訓古墳群」に指定されたところです。
この日、おりしも前方後円墳「井ノ内車塚古墳」(6世紀前半築造)で発掘作業が行われている最中でした。後日、同古墳から横穴式石室が出土したとの発表もあります。
参加者は、当NPO理事でもある京都市埋蔵文化財研究所の加納敬二さんの案内と解説で約17キロにわたる探索コースを歩き、いにしえの歴史のロマンを堪能することができました。昼食タイムに使わせてもらった長岡天神境内の紅葉も鮮やかでした。
なお、集合場所のJR長岡京駅前には中小路健吾市長もかけつけ、歓迎のご挨拶をいただきました。有り難うございました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「西京区民ふれあいまつり」に出展
11月19日、洛西ラクセーヌ周辺の会場で開催された「西京区民ふれあいまつり 2016」に当NPO法人さらんネットがブース出展し、門川大作京都市長が立ち寄りました(写真左中央から門川市長、大前理事長、殿西運営委員)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
当NPOの理事を務める加納敬二さんが事務局長を務める嵯峨大念仏狂言保存会による「嵯峨大念仏大狂言」の舞台、清涼寺(右京区)の狂言堂が改修されることが決まり、京都新聞で紹介された。以下は京都新聞11月15日付から転載。
……………………………………………………………………………………
狂言堂を江戸期様式に
右京・清涼寺 2年半かけ復元へ
嵯峨大念仏狂言 本堂脇などで継続
京都三大大念仏狂言の一つ「嵯峨大念仏狂言」で知られる清涼寺(京都市右京区)で、狂言堂を江戸時代の様式に復元する工事が近く始まる。同寺で確認できる限り、1911(明治44)年に現在地に移築されて以降、本格的な改修工事は初めてで、2年半かけて実施する。工事期間中、大念仏狂言は本堂脇などで続けられるという。
清涼寺の狂言堂は、室町時代に建てられたと伝わる。その後、江戸時代と明治末期の二度、敷地内で移築され、今に至る。一階は役者の支度部屋、二階が舞台で、壬生寺の狂言堂は観客が舞台を見下ろす形なのに対し、清涼寺は見上げる構造になっているのが特徴。
経年劣化で柱が傾くなど傷みが激しく、本格的な改修工事を行うことにした。工事では、舞台を現在の合板から総ヒノキ造りに替え、入り口を東側から南側にするなど、江戸時代の様式に戻す。嵯峨念仏大狂言は国重要無形民族文化財に指定されているため、費用7千万円のうち、文化庁から半額の補助が出る。残りは寄付金などで賄うという。
同狂言は1963年に一度途切れた後、地域住民らによる保存会が75年に復活させ、狂言堂で公演が続けられてきた。工事で今後2年半、舞台が使えないことで、「サヨナラ公演」と銘打ち行われた先月の公演には多くの市民が訪れ、改修前の最後の姿を目に焼き付けた。
同寺の鵜飼光昌住職(59)と保存会事務局長の加納敬二さん(65)は「狂言を次世代につなぐスタートラインにようやく立てた。工期は長いが、新しくなった狂言堂を観光客の人にまた見てほしい」と声をそろえる。(京都新聞11月15日付より転載)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
《当NPO副理事長の宮本博司氏による「私の京都新聞評」が月一回のペースで同紙に連載中です。以下転載します=第4回》
……………………………………………………………………………………
『私の京都新聞評』(2016年10月9日 京都新聞より転載)
宮本 博司
―――――素朴な疑問にも触れて―――――
9月14日の暮らし面、京都縦貫自動車道が全線開通して1年、日本海の漁港から直送された新鮮な魚が昼過ぎには京都市内の店頭に並ぶようになり、魚屋さんや主婦の喜びの声が紹介された。そのほか、アジのかば焼きとミョウガご飯のレシピなど地元でとれた魚の魅力が満載されていた。取材後はじめて意識して舞鶴のアマダイを購入し、親しみがわき楽しく調理したことやイワガキ、サザエは迷ったあげく買わなかったことを後悔したという太田記者のつぶやき記事、とても親しみが持てた。こんなつぶやきが他の紙面にも掲載されると楽しいし、京都新聞への親近感がさらに強まると思った。
鴨川のアユ遡上上限更新の記事が9月20日の地域面に掲載された。天然アユの復活を目指す市民団体「京の川の恵みを活かす会」が2011年から遡上に困難な川の中の段差に木製や土のうを使った簡易な魚道を設置してきた結果、今年は高野川との合流点までアユが遡ってきたという。会の地道な活動に敬意を表するとともに、大阪湾から遡上してきたアユにご苦労さまとねぎらいたい。「本格的に取り組めば、たくさんの天然アユが必ず鴨川に戻ってくる」という会のメンバーのコメントも心強い。だが、もともと鴨川には天然アユが生息していたのに、一体いつアユの遡上を妨げる段差等の構造物が川の中にできたのか。アユが魚道でしか遡れないようなこれまでの川の整備方法は、治水利水上本当にやむを得なかったのだろうか。こんな素朴な疑問にも少し触れてもらえるとありがたい。
9月24日、祇園でタクシーが横断歩道に突っ込み、はねられた5人が重軽傷を負う事故が発生した。翌日の社会面に、タクシー運転手の「アクセルとブレーキを踏み間違えた」との話やタクシー会社の運航管理者の「詳細がわかり次第、対策を講じ二度と同じような事故が起きないようにしたい」とのコメントが出ていた。アクセルとブレーキの踏み間違いに対して二度と事故を起さない有効な対策が現時点で講じられるとは思えない。折しもこの記事が掲載された日の1面には、「自動運転でG7協調」という見出しで、交通担当大臣会合で車の自動安全技術の早期実用化に向け、国際的な安全基準づくりで協調する共同宣言を採択したことを報じている。我が国では毎年数千人が交通事故でなくなっているのに、自動運転の安全基準作りはこれからだし、既に実用化されている自動ブレーキも歩行者や自転車に対する効果的な技術はいまだ開発途上だという。自動車は世の中にとってなくてはならないものだから、走らせながら対策を順次講じていかざるを得ないとは思うものの、自動車に限らず現代社会における人命と利便性や経済性とのバランスについて堀り下げる企画も期待したい。(樽徳商店代表取締役)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
空き家の観光資源化をプレゼン
右京区まちづくり区民会議に参加
当NPO法人さらんネットは、9月30日にサンサ右京(右京区役所)で開催された「右京区まちづくり区民会議」に参加、パネル掲示にて「空き家の観光資源化」についてプレゼンテーションを行い、多くの区民の方から関心が寄せられた。(写真上=サンサ右京・大会議室)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
FM放送出演が決定!『きょうと・人・まち・であいもん』
FM放送局「京都三条ラジオカフェ」に10月1日、さらんネット理事長の大前皓生が出演します。同局はNPO法人が運営するコミュニティ放送局。番組名は『きょうと・人・まち・であいもん』で、京都のまちづくりに関する情報を京都府建築士会が企画し発信しています。
今回のテーマは「観光」。同建築士会の担当者との対談形式でNPO法人さらんネット誕生の経緯・会員数や現状、今までの活動状況、今後の活動内容(方針)などについて紹介する予定です。ご期待ください。
※放送日時 10月1日(土) 15:00~15:15
放送局 京都三条ラジオカフェ FM79.7MHz
※FM79.7MHzは、上記放送時間以後でも以下のURLのインターネットで聞くこと ができます。
http://radiocafe.jp/200304003/
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
《当NPO副理事長の宮本博司氏による「私の京都新聞評」が月一回のペースで同紙に連載中です。以下転載します=第3回》
……………………………………………………………………………………
『私の京都新聞評』(2016年9月11日 京都新聞より転載)
宮本 博司
―――――「山の日」
課題掘り下げて―――――
8月8日の福祉のページに、起業の営利活動と社会貢献を両輪とした新しいビジネスモデルを目指しているオフィス用品販売の株式会社カスタネットが紹介された。創業当初からダイレクトメールの袋詰めなどを障害者施設に依頼するなど社会貢献に取り組んでおり、これまでに全国から未使用の中古文房具を集め、カンボジアの小学校に贈る活動を発端に校舎までも寄贈している。企業の社会貢献活動について社長は「経営者、従業員にとって金もうけだけでは仕事にやりがいが生まれない」と従業員のモチベーション向上にもなるとしている。従業員のやりがいを引き出す小さな社会貢献の積み重ねに取り組む京都の活き活き企業についての情報発信は大変興味深いし、元気をいただける。
8月11日は、今年から祝日に制定された「山の日」。私自身、木桶の材料を求めて時々山に行き、森林の荒廃に心を痛めていることもあり、当日の紙面では山にまつわる様々な課題にも焦点が当てられるだろうと期待していた。ところが関連記事としては、認知度は7割で周知が課題という第2社会面の記事や、企業が登山用品やツアー商品の売り込みに懸命であるという経済面の記事があるだけで、拍子抜けだった。そこで、「山の日」の制定趣旨を調べてみると、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことらしく、「みんなで山に出かけましょう」という軽い意味合いの祝日ということがわかった。しかしせっかくの「山の日」、林業の衰退、森林の荒廃、里山の消滅、野生生物生態の変化、洪水・土砂害の誘因等、私たちの生活に大きな影響を与える山が抱える深刻な問題についてじっくりと見つめる機会にしてはと思った。
5回連載(8月10日から14日)された「終戦と「戦後」の隙間で」は、近衛元首相らによる昭和天皇退位についての密談、幻となった帝国憲法改正案づくり、社会の価値観が激変した戦後で戸惑う庶民のために奔走した弁護士の活動、新憲法宣伝のために京都府・京都市が取り組んだ「憲法普及漫才」等、臨場感ある京都の秘話を綴った読みごたえのある記事であった。ただし、膨大で多岐にわたる取材内容が、たった5回の紙面では伝えきれていないように感じた。別の機会にさらに充実した読み物として再登場することを期待する。
五輪閉幕を報じた23日の1面トップの見出し「東京 目標は『金』3位」を見て、東京五輪の目標は金メダルの数かと少なからず違和感を覚えた。しかし、同じ1面上で凡語が語ってくれた「せっかくの自国開催のである。メダル争いだけに注目するのはもったいない。マイナーと称される競技に人生を懸け、メダル以外の価値を見出して挑むアスリートもいる。そんなスポーツの景色に出合うことを、今から楽しみに待ちたい」に救われた。(樽徳商店代表取締役)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
《当NPO副理事長の宮本博司氏による「私の京都新聞評」が月一回のペースで同紙に連載中です。以下転載します=第2回》
………………………………………………………………………………………
『私の京都新聞評』(2016年8月14日 京都新聞より転載)
宮本 博司
―――――ダム
風化させぬ報道を―――――
7月10日の参議院選挙に関する一連の報道は、大変充実していたと思う。これまでの選挙ではややもすると政党や候補者に焦点を当てた記事が多いように感じていたが、今回は、争点を切り口に地域の実情や住民の声を報じた「争点最前線」や選挙に対する有権者の様々な思いを連載した「一票の交差点」など、住民視点からの記事は新鮮であった。
また、立命館大学協が18種類の野菜を使った「18菜サラダ」で投票PRしていることを伝えた記事(7月8日夕刊社会面)など、若い人たちの投票への後押しにも力を入れていたと思う。投開票日翌日の1面「凡語」は「首相の消費税増税延期の『新しい判断』とアベノミクスの『道半ば』での勝利は、考えれば先送りを求めたに過ぎない。多くの人が当面先送りしたツケは、若者の将来に重くのしかかる。有権者はその責任を忘れず、その先行きを見張っていかねば」との趣旨。選挙結果の総括として明快で、ストンと腹に落ちた。
17日朝刊社会2面で「祇園祭ごみゼロ大作戦」が報じられた。環境NPOや京都市などでつくる実行委員会が一昨年から取り組んでいるもので、洗って繰り返し使えるリユース食器の活用等でゴミの減量を図るとともに、ゴミの回収・分別を行う活動に毎年全国から多くのボランティアが集まる。樽徳商店も昨年に続き社員5名で汗をかいた。実際に参加してみると、ゴミの多さに圧倒されるとともに、通行人のマナーの良さ、悪さにも直に触れることができ貴重な体験ができ面白い。この活動には、京都の企業もボランティアとして多数参加している。京都新聞社も来年は是非参加してみてはいかがか。参加したからこそ伝えることができる生きた記事を期待したい。
7月20日朝刊30面に「大戸川事業継続 府など了承」、「ダム凍結方針変わらず」という一見矛盾する見出しが出た。2007年に国交省が提示した大戸川ダム復活計画に対して、翌年、私が委員長を務めていた淀川水系流域委員会が「効果は限定的で、緊急性は低い」との意見を出し、滋賀県、京都府、大阪府知事がダム不要を表明した。その後8年がたち、ダム不要を覆す新たな状況変化は何もないが、国交省が示した「大戸川ダムは必要である」という検証結果に対して、3知事が了承した。治水上必要であるが、ダム本体の着工は凍結するという。
市民にはさっぱり理解できないが、これを役人世界では「塩漬け」という。世論の風当たりが悪い間は、一旦おとなしくしておき、ほとぼりが冷めれば一気にやるというやり方である。今回、大戸川ダムの必要性が了承されたということは極めて要注意である。将来、ダム建設を推し進める際に今回の了承が錦の御旗になるからだ。京都新聞がこれからも大戸川ダム問題を風化させないように報道することを願う。
(樽徳商店代表取締役)
平安京「羅城門」再生へ
当NPO理事の土岐憲三氏(立命館大学教授)が運営に参加されている「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」が推進する「歴史的建造物の復元事業」で、平安京の表玄関だった「羅城門」の大型模型をJR京都駅前に設置する計画が進められていることが発表された。以下は7月5日付京都新聞の記事より転載。
…………………………………………………………………………………………………
羅城門模型 JR京都駅前へ
平安建都1200年事業で制作/11月末公開 歴史都市アピール
【京都新聞 2016年7月5日付】
京都の社寺や大学などでつくる「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」は4日、平安京の表玄関だった「羅城門」の模型を地下の保管場所からJR京都駅前に移設して公開すると発表した。11月末をめどに展示場を完成させ、かつての京都の玄関口を市民や観光客にアピールする。
北を貫く朱雀大路(現在の千本通)の南端に建てられた。二重楼閣の大門だったが、強風で倒壊。再建されたが、980年に再び壊れた。以来、荒廃した様子は「今昔物語集」にも記されている。
模型は1994年の平安建都1200年記念事業で、羅城門の約10分の1(幅8・0㍍、奥行き2・1㍍、高さ2・4㍍)で作られた。京都駅近くのメルパルク京都の地下で保管されていたが、移設プロジェクトのために立ち上げた実行委(千玄室会長)が、京都駅北側のタクシー乗り場付近に水や紫外線を防ぐコーティングを施して移設する。
総工費は約3千万円。自己資金のほか、府と市の補助金、寄付金でまかなう。実行委の松浦晃一郎委員長は「歴史都市として観光客を迎えるのに大きな意“味がある。東京五輪に向けて京都が文化面で貢献していく面でも重要だ。募金活動に是非協力して欲しい」と呼びかけている。募金の詳細はプラットフォームのサイトから。
「国と地方」事例発信を・・・
当NPO宮本博司副理事長の「国と地方の関係」の考察評論が、京都新聞に掲載されました。
-第1回目:平成28年6月12日-年6回掲載予定
====================================
京都新聞で紹介!
「続・京都 嵯峨・京北・乙訓歩きま専科」
が、京都新聞で紹介されました。
-平成28年6月15日 朝刊-
****************************************************:
NPOさらんネット 第4弾 出版!
平成28年3月18日
「続 京都 嵯峨・京北・乙訓歩きま専科」
~京都ウエストサイド・ウォーキングなび~
●京都のウエストサイド(嵯峨、京北、乙訓)の案内コースをウォーキングし、その地域にある文化遺産等を知る。有名無名を問わず、様々な史跡や歴史と出会うことが出来、「歩く」だけではなく「知的体験」も出来るように企画。
◆冊子の構成
①京北町・もう一つの「鯖街道」を行く<弓削川に沿って>
②京北・禁裏御領地を行く<桂川に沿って>
③周山街道、福王子から高尾、中川集落へ
④きぬかけの路、素晴らしい名所旧跡の数々を巡る
⑤清滝道を行く(一部、愛宕道を通る)
⑥三条通、猿田彦神社から小督塚まで
⑦旧嵯峨街道から山田道を行く
⑧物集女街道を探訪
⑨西国街道、向日市から天王山山麓・大山崎まで
⑩西山古道で、西山三山を訪れる
●A5サイズ、104ページ、オールカラー
頒布価格 税込1,000円(送料100円)
お申し込みは、事務局までFAXかメールでどうぞ。
*お名前、住所、電話番号、数量
お支払いは、同封の振込用紙でお願いします。
*在庫が終了次第締め切りますので、悪しからずお願いします。
:::::::::::::::::::::::
平成28年 さらんネット・文化講演会
ガイドブック「続・京都 嵯峨・西山歩きま専科」発刊記念講演 終了しました。
山折哲雄先生に聞く「日本人と宗教心」
*NPOさらんネットが今回発刊する「続・京都 嵯峨・西山歩きま専科」は、嵯峨、西山・大原野に加え京北町など、京都のウエストサイドの「みち」をキーワードに紹介しています。史跡・遺跡や多くの文化遺産がある歴史的にも重要な場所です。
今回の講演会は、山折哲雄先生に「京都のウエストサイドの山間部に、多くの寺院が建立された宗教的背景や日本人の宗教観」等についてご講演を頂きました。
◆山折哲雄先生プロフィール
1931年サンフランシスコ生まれ/1954年東北大学文学部インド哲学科卒業/同大学院卒
2001年国際日本文化研究センター所長、名誉教授/国立歴史民族博物館名誉教授/夕焼け京都
熟塾長/2001年京都新聞大賞文化芸術賞/2003年NHK放送文化賞
主な著書:「坐の文化論」/「神と仏~日本人の宗教観」/「日本文明とは何か」/「日本のこ ころ、日本人のこころ(上・下)」他多数
日 時:平成28年3月13日(日) 14:00開場 15:00開演
場 所:京都府立総合社会福祉館「ハートピア京都」3階大会議室
●お陰さまで、盛会裏に終了しました。
*******************************************
*******************************************
うれしい励ましのお便り
発行以来、多くの方々から過分な評価を頂いています。
スタッフともども感謝しています。
先日、下記のような励ましのお便りもありました。
《友人の方々7人と「唐櫃越」を歩かれているうち、道に迷いそうになった。その時、1人の友人がこの本をお持ちになっており、このガイド通りに歩かれ、無事ゴールされた由。》そのため、この本を6冊わけてほしいとの依頼がありました。
私たちの取り組みへの「励まし」と思い、ますます頑張ります。
平成27年5月4日
******************************
******************************
NPOさらんネット、
出版第3弾
平成27年2月23日発刊
A5サイズ
表紙共96頁
オールカラー
*平成26年度京都府地域力再生プロジェク
ト新事業
*平成26年度京都市右京区まちづくり
支援事業
京都 嵯峨・西山歩きま専科
-嵐山ウォーキングなびー
●嵯峨・嵐山地域は、古くから開かれた観光の名所であり、年間約1000万人の人 が訪れます。季節毎に繰り広げる自然のパノラマが素晴らしい所です。歴史や文 学に登場する場面も多数あります。
●私どもNPOさらんネットでは、毎年「ぶらり探訪」と称しまして、長い年月がは ぐくんだ豊な嵯峨嵐山一帯の自然環境を満喫しながら、数々の歴史を刻む史跡を 訪ねるウォーキングの会を催しております。
●この度、私どもがお勧めする「里山ハイキングルート」とエッセイ集「嵯峨野十 刹」を共に冊子にまとめ「京都 嵯峨・西山歩きま専科-嵐山ウォーキングなび
-」を発刊しました。
●嵯峨・嵐山の再認識及び更なる活性化の一助になればと思っています。
■京都府、京都市(右京区)、各団体・企業、個人協賛各位に感謝申し上げます。
発行所:NPO法人 さらんネット
発行者:理事長 大前皓生
事務局:〒610-1141 京都市西京区大枝西新林6-11-9
FAX075-333-1152 E-Mail teruo@ohmae.net
***********************************